
- どのコメントを使ってレセプトを出せばいいのか分からない!
- レセプトにコメントの記載が必要な項目の一覧が欲しい!
こんなお悩みを解決する記事になっています。
レセプトを作成するときにコメントの記載を求められている項目があります。
似たようなコメントがたくさんあって、どれを使えばいいのか迷う方も多いと思います。
この記事では、2020年の診療報酬改定で大幅に見直されたコメントマスタを踏まえ、レセプト作成にあたってどのコメントを使えばいいのかを解説します。
「別表Ⅰ」に従えば間違いなし
結論、別表Ⅰの通りにコメントをレセプトに記載すれば間違いありません。
2018年の診療報酬改定から登場した「別表Ⅰ」
「別表Ⅰ」はレセプト摘要欄にコメントとして記載を求められている内容を各診療行為毎に表形式でまとめた資料です。
2018年のレセプト記載要領は厚労省HPをご覧ください。
「別表Ⅰ」が登場したことでレセプト記載要領が非常にすっきりとまとまりました。
それまでは「診療報酬明細書の摘要欄に・・・を記載すること」のように文章で長々とコメント記載が必要な内容が書かれていました。
「別表Ⅰ」が登場したことで記載要領は「別表Ⅰのとおり」の一文にまとめられ、診療行為とコメントが表形式で結びつきました。
「別表Ⅰ」は発展途中
2018年の別表Ⅰは不完全で、レセプト電算処理システム用コードがほとんど空欄でした。
そのため、レセコンや電子カルテを使っている医療事務の方はどのコメントマスタを使えばいいのか迷っていたと思います。
ところが、2020年の診療報酬改定でコメントマスタが大幅に見直され、診療行為とコメントマスタがほぼ1対1で紐づきました。
2020年の「別表Ⅰ」の通りにコメントを使ってレセプト作成すれば、少なくとも1次請求で返戻になることは無いと思います。
2018年の「別表Ⅰ」
レセコンや電子カルテを使っている方にとっては、2018年の「別表Ⅰ」は当てになりません。
先述の通り、レセプト電算処理システム用コードがほとんど空欄だからです。
レセプト電算処理システム用コードが空
レセプト電算処理システム用コードが空の項目で、具体例を挙げて説明します。
小児特定疾患カウンセリング料ですが、「第1回目のカウンセリングを行った年月日」の記載が必要です。
別表Ⅰのレセプト電算処理システム用コードが明記されてないので、次のどちらの方法でも請求は通ります。
- 810000001のフリーコメントで「第1回目のカウンセリングYYYY年MM月DD日」のように入力
- 840000604の「小児特定第1回目カウンセリング 令和 年 月 日」を使う
フリーコメントコードを使って別表Ⅰで指定されている内容が分かるように記載してもいいし、従来からあるコメントマスタ(840000604)を使っても問題ありません。
どのコメントマスタを使えばいいのか迷うのは、別表Ⅰのレセプト電算処理システム用コードが空の項目でした。
レセプト電算処理システム用コードが空ではない
レセプト電算処理システム用コードが空ではない項目もありました。
再診料の乳幼児加算を月の途中から算定しなくなった場合に必要なコメントは、820100005のコメントコードが指定されています。
810000001のフリーコメントで「月の途中まで乳幼児」と入力したレセプト電算では、請求時にエラーとなります。
レセプト電算処理システム用コードが指定されているので、何のコメントマスタを使えばいいのか一目瞭然です。
2020年の「別表Ⅰ」
2020年の別表Ⅰでは、レセプト電算処理システム用コードが全て埋まりました。
2018年の別表Ⅰで、レセプト電算処理システム用コードが空だった小児特定疾患カウンセリング料を例に解説します。
850100051のコメントマスタを使えばいいことがはっきりとわかります。
それでも別表Ⅰは未完成
2018年の別表Ⅰにくらべて2020年の別表Ⅰは、はるかに分かりやすく整備された印象を受けます。
ただ、それでも不備があるようで、2020年8月31日に訂正が入ってます。
詳細は厚労省の事務連絡をご覧ください。
レセプト電算処理システム用コードが変更されていたり、項目が削除/追加されているなど、かなり訂正されています。
2020年3月27日に公開された別表Ⅰに沿ってレセコンや電子カルテを使ってレセプト作成してしまうと、請求時にエラーになるかもしれないので注意しましょう。
コメントマスタが分かりづらい
先述の例で紹介した通り、小児特定疾患カウンセリング料に対して別表Ⅰでは850100051のコメントマスタが指定されています。
ところが、厚労省が提供しているレセプト電算処理用マスタには、840000604のコメントマスタ「小児特定第1回目カウンセリング 令和 年 月 日」が残ったままです。
厚労省が運用しているレセプト電算処理用マスタが掲載されているサイトは診療報酬情報提供サービスをご覧ください。
間違って従来からマスタとして存在している840000604を使ってレセプト請求してしまうとエラーになるので注意が必要です。
まとめ
別表Ⅰに沿ってコメントを使えばレセプト請求で問題になることはありません。
ただ、別表Ⅰの運用が本格的に始まってから間もないので、まだまだ訂正が入りそうな予感がします。
厚労省の事務連絡をこまめにチェックして別表Ⅰが変更されてないかどうか確認しましょう。
別表1は診療点数早見表にも載っています。
2022年4月版の診療点数早見表はこちらからどうぞ。