
別表Ⅰだと抽象的な部分があるから分かりづらい。もっと具体化した資料はないの?
こんなお悩みを解決する記事になってます。
2018年の診療報酬改定から登場した、レセプト記載要領を簡素化して表形式にまとめられたのが「別表Ⅰ」。
この「別表Ⅰ」がマスター情報として存在していることを知りました。
この記事では「別表Ⅰ」のマスター版である「コメント関連テーブル」について紹介します。
コメント関連テーブルとは?
コメント関連テーブルは診療報酬支払基金が提供している情報です。
掲載されているサイトはこちらになります。
下記の記事で紹介したとおり、別表Ⅰはレセプト記載要領を分かりやすく表形式にしたものです。
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レセプトに記載が必要なコメントが分かりやすくなった【別表Ⅰ】
どのコメントを使ってレセプトを出せばいいのか分からない! レセプトにコメントの記載が必要な項目の一覧が欲しい! こんなお悩みを解決する記事になっています。 レセプトを作成す ...
コメント関連テーブルは、別表Ⅰを診療行為マスタ単位でさらに細分化した内容となっています。
見やすさでは別表Ⅰが勝りますが、細かさはコメント関連テーブルが勝ります。
見づらさはファイル仕様説明書でカバー
コメント関連テーブルの見づらさは、ファイル仕様説明書で補いましょう。
コメント関連テーブルのEXCELファイルの先頭行に、ファイル仕様説明書の「項目名」をくわえると分かりやすくなります。
これだけだと、各列の数字がどのような意味を持つのか分かりません。
そこで、先頭行の各セルにコメントを追加して、数字の意味を付け加えましょう。
ついでに、先頭行にフィルタを設定すればより使いやすくなります。
コメント関連テーブルは支払基金が管理
別表Ⅰはレセプト記載要領の一部なので、変更があれば厚労省が通知を出して知らせてくれます。
一方で、コメント関連テーブルは支払基金が管理している情報なので、更新があっても通知は出されません。
変更されてないかどうかを支払基金のHPをこまめにチェックする必要があります。
コメント関連テーブルも発展途上
コメント関連テーブルは2020年9月に3回、2020年10月に1回更新されているので、まだまだ発展途上のようです。
別表Ⅰが訂正されれば、それに合わせてコメント関連テーブルも更新されると思われます。
ただ、別表Ⅰの訂正回数に比べてコメント関連テーブルの訂正回数が多いのが気になります。
別表Ⅰとコメント関連テーブルは管轄が違うので、足並みがそろってないのかもしれません。
別表Ⅰと組み合わせて確認
コメント関連テーブルだけ見ても内容は理解できません。
別表Ⅰと組み合わせてコメントの入力漏れを防ぎましょう。
別表Ⅰの曖昧な表現が明確になる
別表Ⅰの項番139はC000の「往診料等」となってます。
「等」となっていると、具体的に何の診療行為マスタに対してコメントが必要なのか分かりません。
これをコメント関連テーブルで見てみるとハッキリします。
- 850100093:往診を行った年月日
- 830100086:患者の病状の急変等往診が必要となった理由
この2つのコメントは、「往診料」「特別往診」に対して必要だということが分かります。
条件を満たした時だけ必要なコメントは紐づけられない
特定の条件を満たした時だけ必要なコメントがあります。
このようなコメントについては、コメント関連テーブルで「診療行為特定不能」となっており明確になってません。
ここで挙げた例は「在宅自己注射指導管理料」ですが、「緊急時に受診した場合&注射に係る費用を算定する場合」に必要なコメントがあります。
このコメントは、「在宅自己注射指導管理料」に対して必ず必要なコメントではありません。
そのため、コメント関連テーブルでは「在宅自己注射指導管理料」の診療行為マスタと紐づいてません。
まとめ
医療事務に携わる方が使うにはちょっと難しいコメント関連テーブル。
どちらかというと、レセコンや電子カルテメーカー向けの情報です。
ただ、別表Ⅰと組み合わせて確認すれば、医療事務の方でも参考にできる内容となっています。
ファイル仕様説明書を確認しながら、コメント関連テーブルのEXCELファイルを加工して、見づらさを改善しましょう。