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【2022年診療報酬改定】コロナ加算の代わり?感染対策向上加算

 

2022年の診療報酬改定のおおまかな概要が中医協の個別改定項目で明らかになりました。

 

次の記事で紹介した、2021年9月末で廃止となった医科外来等感染症対策実施加算(通称コロナ加算)の代わりとなりそうな項目が新設されそうです。

 

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この記事では、コロナ加算の代わりとなりそうな「感染対策向上加算」について解説します。

外来診療は外来感染対策向上加算

 

2022年4月診療分から新設となる「外来感染対策向上加算」。

 

施設基準に適合してて、次の項目を算定している場合に加算できるもののようです。

初診料
再診料
小児科外来診療料
外来リハビリテーション診療料
外来放射線照射診療料
地域包括診療料
認知症地域包括診療料
小児かかりつけ診療料
外来腫瘍化学療法診療料
救急救命管理料
退院後訪問指導料
在宅患者訪問診療料(Ⅰ)・(Ⅱ)
在宅患者訪問看護・指導料、同一建物居住者訪問看護・指導料
在宅患者訪問点滴注射管理指導料
在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料
在宅患者訪問薬剤管理指導料
在宅患者訪問栄養食事指導料
在宅患者緊急時等カンファレンス料
精神科訪問看護・指導料

 

医科外来等感染症対策実施加算の算定条件については次の記事で紹介していますが、加算対象の項目がそっくりなんです。

 

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はっきりとしたことはわかりませんが、この共通点から考えると外来感染対策向上加算は、廃止になった医科外来等感染症対策実施加算の代わりとも言えそうですよね。

 

医科外来等感染症対策実施加算との違い

 

外来感染対策向上加算が、医科外来等感染症対策実施加算の代わりになりそうとはいえ、違いが色々ありそうです。

 

届出が必要

 

医科外来等感染症対策実施加算は地方厚生局に届出しなくても算定できました。

 

外来感染対策向上加算は届出をしないと算定できないようです。

 

月1回の算定が上限

 

医科外来等感染症対策実施加算は月の算定条件回数はありませんでしたが、外来感染対策向上加算は月1回の算定になるようです。

 

外来感染対策向上加算同士の組み合わせはNG

 

例えば、初診料を算定した時に外来感染対策向上加算を算定。

 

同月の別日に、別の病気の治療のために外来放射線照射診療料を算定した時に外来感染対策向上加算を算定。

 

これもダメのようです。

 

診療所でのみ算定できる

 

外来感染対策向上加算の施設基準の中に「診療所であること」という条件が書かれているので、病院では算定できません。

 

連携強化加算の新設

 

外来感染対策向上加算の届出を出してて、施設基準を満たせば連携強化加算がさらに算定できそうです。

 

施設基準も、

  • 感染対策向上加算の届出をしている医療機関と連携してる
  • 連携先に過去1年間に4回以上の感染症発生状況は抗菌薬の使用状況を報告

 

という内容でそれほどハードルが高そうではないので、算定する医療機関は多そうです。

 

算定回数の上限は外来感染対策向上加算と同じ月1回まで。

 

サーベイランス強化加算の新設

 

こちらも先ほど紹介した連携強化加算と似てます。

 

外来感染対策向上加算の届出をしてて、施設基準を満たせば算定できるようになりそうです。

 

JANISやJ-SIPHEなどのサーベイランスに参加していることが条件のようなので、連携強化加算より若干ハードルは高めに感じました。

 

算定回数の上限は外来感染対策向上加算と同じ月1回まで。

 

入院は感染防止対策加算の細分化

 

入院は「感染防止対策加算」の名称が「感染対策向上加算」に変わって、項目が細分化されます。

 

外来感染対策向上加算は診療所でのみ算定可能でしたが、病院はこの「感染対策向上加算」を算定することになりそうですね。

 

先ほど紹介した連携強化加算とサーベイランス強化加算も条件を満たせば算定可能なようです。

 

まとめ

 

医科外来等感染症対策実施加算の廃止は医療機関にとっては収入減となる施策でしたが、その代わりとなりそうな感染対策向上加算の新設はうれしいニュース。

 

ただ、算定回数の上限が月1回という制限を設けているあたりは、患者さんへの負担増も考慮した内容と言えそうです。

 

諮問答申や告示内容で正式な改正内容が明らかになるはずなので、情報が入り次第記事を更新して解説する予定です。

 

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